天下三不如意 7.白河院政 この時代の日本人は白河法皇が圧倒的権力者として君臨していること、藤原忠実の後を継いだ関白藤原忠通は前任者よりも白河法皇の言いなりになる関白であること、議政官は白河法皇の命令を法にするための儀式の存在になっていることを自覚していた。 鴨川の東に生まれた白河の大邸宅とその奥にそびえる九重塔は白河法皇の勢力を示すものであり、法制化を求める陳情も内裏ではなく白河に向かっている。内裏で働くより白河で働くほうが役人としての成功であり、白河法皇にいかに近づくかが貴族としての成功である。2019.03.29 16:54平安時代叢書