末法之世 8.前九年の役 スパイというものは、想像上の存在なわけでも、近現代だけの存在でもない。どの時代にあっても、どの社会にあっても、スパイというのは存在する。安倍頼時が利用したのはスパイであった。 奥六郡に向…2017.04.28 22:35平安時代叢書
末法之世 7.末法の年 永承六(一〇五一)年、藤原頼通が還暦を迎えた。寛弘六(一〇〇九)年に一八歳の若さで議政官入りしてから四二年という長きに渡って国のトップグループの一員であり続けたのだから、人生としては順風…2017.04.28 22:30平安時代叢書
末法之世 6.後冷泉天皇 後冷泉天皇が断固譲らぬこととして主張したのは、弟である尊仁親王を皇太子に就けることである。 この時点でまだ子がいない後冷泉天皇である。皇位継承権の筆頭として弟が選ばれるのはおかしな話では…2017.04.28 22:25平安時代叢書
末法之世 5.後朱雀天皇 後朱雀天皇は、そして藤原頼通は、人事が詰まってしまっていることが問題の一つであることを理解してはいた。そして、人事が詰まっているのだから、詰まりを取れば、根本的解決とまではいかなくとも問…2017.04.28 22:20平安時代叢書
末法之世 4.末法思想の登場 長久の荘園停止令が発令されてから一ヶ月半ほどが経過した長暦四(一〇四〇)年七月二六日、近畿地方一体に暴風雨が吹き荒れた。平安京の被災状況が次々と朝廷に告げられ、ひと段落ついたと思ったら今…2017.04.28 22:15平安時代叢書
末法之世 3.執政者藤原頼通 この切迫感の感じられなさについて、もう一つ取り上げるべきエピソードがある。 長元七(一〇三四)年一〇月二四日、上総国の官物を四年間免除すると決定された。上総国に命じられている国からの税を…2017.04.28 22:10平安時代叢書
末法之世 2.社会、経済、文化の変容 島根県を代表する観光地、出雲大社。 いつ誕生したのかの記録を遡ると古事記や日本書紀にまで遡る。 ただし、出雲大社という名称を歴史資料で探しても出てこない。出てくるとすればそれは明治時代…2017.04.28 22:05平安時代叢書
末法之世 1.藤原道長の影と遺産 時代の移り変わりには二種類ある。一瞬で起こった移り変わりと、少しずつ変化して気がついたら時代が変わっていた移り変わりである。多くの人は、前者の移り変わりについては明確に自覚するし、そのと…2017.04.28 22:00平安時代叢書